読書備忘録 “いつも傍に本があった。”

『百年の愚行』紹介

  戦争の足音が高まる昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ぬるい平和に飽きて、血沸き肉躍るゲームのような「楽しい戦争」の夢を見ているのでしょうか。
私は思うところあり、こんな本を開いてみました。
少々古い本ではございます。
二十世紀の終わり頃に企画された、二十世紀の人類による愚行を集めた写真集です。

たとえば汚染された河川、伐採された森林、殺戮される動物たち、原子力発電の遺物、戦争、差別、貧困……等々。
そんな人類の犯罪現場を抑えた写真の数々が収録されております。
素晴らしい本ですので、ぜひご一読を。



この本の冒頭に書かれたコラムによれば、二十世紀始めの世界総人口は15~16億人であったらしい。
この本が出版された当時(最初の出版。2000年頃)は約60億人。
そしてそれから15年後の現在、約72憶となっている。

上記の数を頭に入れたうえで『百年の愚行』を眺めていくと、まさしく人類は地球の癌細胞に違いないとの想いを強める。

私は戦争が嫌いだ。戦争は回避したい。
(いや本音を言えば、戦争根絶・永遠平和を熱烈に願う)
貧困も辛い。貧困が存在するだけで辛い。
この地上において、苦しみ泣いている人がいることが嫌でたまらないと思う、我がままなタイプ。

世界人類から苦しみがなくなる日の訪れを夢見てきた。

しかしこの写真集を眺めていると、「戦争」や「貧困」など人類の病は当然の報いであるかもしれないと思えてくる。
人類自身が犯した罪の報いとして苦しみを背負っているのだと。

人類が減ることこそ、他の生物には幸福である。これは間違いのない答えだ。

穏やかに人類の出生率を下げることが出来れば良いと願う。
それもまた生きている者の傲慢なのだと知りながら。

(出生率を下げることは、生者の枠を減らす行為であり殺すことと結果は同じ。ただ生まれてきた者を苦しめて命を奪うか、出生枠を最初から絶つかであれば、やはり私は後者を支持したい。人が苦しんでいる様子を見るのは本当に耐え難い)


※関連サイト
じてんしゃ図書館」 土居さんサイト 自転車で全国を周り、『百年の愚行』を宣伝していた方



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